角膜は5つの層からできている透明の膜で、1度死んでしまった角膜内皮細胞が再生することはありません。
角膜を透明に保つポンプの役割
角膜は5つの層からできている透明の膜で、その一番内側にあるのが角膜内皮細胞です。
角膜はとてもむくみやすい部位で、水分が染みこむと濁ります。
角膜内皮細胞は染みこんできた水を常に汲みだして、角膜の透明性を保つ働きをしています。
一度死んでしまったら再生されない細胞
一度死んでしまった角膜内皮細胞が再生することはありません。
健康な人でも角膜内皮細胞の数は加齢とともに減少していきます。
また手術による侵襲(=ダメージ)などで、さらに減少することがわかっています。
酸素不足で大きなダメージ
透明でなければならない角膜は、血液のかわりに空気中から酸素を、涙などから栄養分を取り入れています。
最近のコンタクトレンズは酸素透過性に優れていますが、どうしても酸素不足になりがちです。
また、ソフトコンタクトレンズは角膜にフィットして装用感が良いのが特徴ですが、角膜上の涙の交換がされにくいといえます。
やはりコンタクトレンズは裸眼に比べると眼に対する負担は大きくなります。
最近、コンタクトレンズの長期装用による角膜内皮細胞の減少が問題になっています。
角膜内皮細胞の数の目安
必ず眼科専門医による検査を受け、コンタクトレンズを使用することが危険ではないかを確認しましょう。
眼の健康状態を確認したうえで、その人にあったコンタクトレンズを処方してもらうことが大切です。
角膜内皮細胞が減るとどうなる?
角膜内皮細胞が1000個/平方ミリメートル以下になると、角膜を透明に保つことができず、白く濁ってきます(角膜混濁)。
治療は角膜移植を選択するしかありません。
また、手術による侵襲(=ダメージ)などでさらに減少するため、角膜内皮細胞の数が少ないと「手術を受けることは危険」と判断され、白内障手術など必要な手術を受けることができなくなります。
角膜内皮細胞は・・・
– 1度死んでしまうと再生できない細胞
– コンタクトレンズの長期装用や間違った使用などで、大きなダメージを受ける。
– 減少すると、白内障になったとき、手術を受けることが出来なくなってしまう。